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2010年07月26日

こうして私は洗濯物に傘をさすことを決めた。

すっかりツイッターっ子で放置してましたが、
今日は、こういうことはブログじゃないと、
普段の仕事でも、つぶやきでも、書けないな、と、
思ったことがあったので。書きます。

いやね、友人と10人くらいで、電車に乗ってたんですよ。
今日は海に行ったんですけど、無事に雨には降られず。
でも、降るかもって空だったよね、いや、東京は降ったかも、
なんて、のんきに天気の話なんてしてたら、ある友人がひと言。

「あたしね、今日は雨が降るかもしれないと思って、ちゃんと洗濯物に傘をさしてきたよ」

・・・?
・・・ちゃんと何やってきたって?
意味がわからないというか、耳が受け付けない。
え?洗濯物に傘をさすの?
何度が確認して、やっと文字通りの意味だということと、向き合う勇気が出る。

「部屋干しじゃなくて?」「傘?どうやってさすの?」「それ意味あるの?」
同席していた友人らから矢継ぎ早の質問。
さすがの彼女も、「なんだか自分がおかしい?」と動揺したようで、思わず声をあげる。

「だ、だって、実家のお母さんもやってたよ!」

驚愕だ。彼女はちょっと天然キャラなので、
彼女オリジナルのネタかと思いきや、年代モノではないか。

よくよく考えれば、彼女には同じくキャラは立っているが、
社会性は高い知性派の姉がおり、2人は同居しているのだ。
洗濯物に傘なんて、何やってるのか、と止めて然るべきところ、
そうか、姉もアッチ側の人間として育っているのか。

長い電車での時間を、大いに笑わせてもらったと同時に、
私は随分と考えさせられてしまった。

「なんで洗濯物に傘をさすの?」

「部屋干しじゃなくて?」「傘?どうやってさすの?」「それ意味あるの?」
私たちの矢継ぎ早の質問にシドロモドロながらも、彼女は彼女なりにいかに合理的で正しいのか、(かなり納得がいかない内容だったが)答えてくれる。

じゃあ逆にね、「なんで洗濯物に傘をささないの?」と、
もし彼女に、いや、彼女の母親に、いや、世界中の人々に、
もし私が訊ねられたら。
私は全員を納得させられる答えが、出せるのだろうか。
少なくとも、電車で笑っている間、私には出せなかった。

電車の中で、9対1の私たちは、
「洗濯物に傘をさすなんて、おかしいよ」
と、笑ったけれど。
なにが「おかしい」のか、答えを知らないままの私が笑っていて、
ちょっとそれが怖いことに感じてしまったのね。


以上がものの4、5分の出来事。
その友人含め、全員で大いに笑って、楽しい旅のひとコマとなった。
彼女は、よもや彼女自身が私のキモチをこんなに揺さぶったとは思っていないだろう。
まだ言葉にならないのだけど、
私の「常識」に対する一定のフォームが、
著しく乱されたような心もちなのだ。

とにかく、次のゲリラ豪雨に備えて、
私は洗濯物に傘をさしてみることから、
始めてみようと、
彼女の電車を見送ったときに思いました。

投稿者 riko : 2010年07月26日 00:27