自分で勝負を決めて、挑む。
彼女のそんな姿勢を、心から美しく思う。

フリーで仕事を始めたころ、
いつだって私は挑戦者だった。
アルバイトすらまともにやったことのない私にとって、
出会うもの総てが、新しい壁だった。

心配性で、すぐ立ち止まってしまう子供だった私は、
２３歳の頃にひとつだけ決めたことがある。
「これからは迷っても、走りながら考えよう」。

まわりの大人に、次々と無理難題を叩きつけられても、
絶対に応えよう、応えられるから！と、やってきて。
特に叶えたい夢とか、やりたいことがなかった私にとって、
それはすごく簡単なことだった。

自分の名前で会社を始めてからの意識は、
「常勝」へと変わっていった気がする。

企画屋は、人の勝負を代理でやるような仕事だ。
代打の選手がバッターボックスに立った瞬間、
打ってアタリマエって空気は、当然なわけで。

いつからか、桜木花道じゃなくて、
海南大付属キブンをかましていたワケですが。
わかってるんです、まだまだ、ずっと、挑戦者としてしか、
生きてけないってことは。

相変わらず私は、
叶えたい夢があるわけじゃないけれど。
もっと世の中のために役立つ関わり方は、模索できるわけで。
それを探し続ける姿勢が、大事なわけで。

もう、大人のひとたちが、次の壁を用意してくれるんじゃ、ないんだな。
これからは自分で勝負を決めて、挑む。
小さくコミットして達成する、の繰り返しなんだな。
と、アタリマエのことに気づいて、途方に暮れるのです。

最近の私は、ここに辿り着くまで、
立ち止まったまま迷っていたように思え、
自分の足元を見直して、また途方に暮れるのです。

シンプルで強くありたい、と、願っているのに、
いつも逆方向な自分になりがちですが。
ちゃんと挑戦し続けてる彼女の美しさに、
いい影響を受けられた気がして、顔を上げたい心持ちです。

↑自宅のリビング。美しいと思えるモノに囲まれて暮らすと、心が強くなるんじゃないかな。と、言葉にはすぐ出来るんだけど。実感できる瞬間は案外少ない。特に私は言葉に長けているから、余計にいけない。自分の口車に乗せられないよう、用心しなくては。