お互いに、まだ仕事も残っていたのでお茶にしようと決めたのだけど、
残念ながらその近辺にカフェ的なモノはなかった。
この際、サイゼリヤか！？ってとこで、彼がバイクだったので、
原宿までサクッと移動することになった。
メットを渡されて、かぶる。

「後ろ乗ったこと、ありますか？」

ふいに聞かれて、うん、あるよあるよ、と答えた私は、
バイクの後ろにまたがりながら、いろいろ思い出していた。

いままで、何回もバイクの後ろに乗っけてもらったコトがある。
それは好きな男の子のだったり、友だちのだったり、親戚のオジサンのだったり。

高校生のとき、帰りが遅くなりそうだったけど、実家が厳しくて。
友だちがバイクで送ってくれたとき、真冬でも制服のスカートが短くて寒いから、
激長ルーズソックスを太ももの付け根までズリ上げて乗った。格好悪い。

大学生のとき、朝まで六本木で遊んだあと、
9時からの授業があったから、学校まで友だちのバイクに乗っけてもらって。
後ろでウトウトしちゃって、「死ぬぞ！」って怒られたこともあった。笑えない。
（必死に寝てないって嘘ついたんだけど、ウトウトした拍子にメットがコツコツ当たってわかるらしいのね。あやうくア・イ・シ・テ・ルのサインですよ）

ハンバーガーが80円だったとき、渋谷の１０９らへんのマックで、
忘年会用に50個、ついでにチーズバーガーも30個くらい買い込んだときも、
友だちのバイクに乗せてもらって、公園通りの上まで運んだ。バカだった。

どうもバイクの後ろに乗ってる思い出は、バカだ。

ちなみに中学生の頃は、塾の帰りに夜遊びなんかせず、
はやく家でテレビ見ながらゴハン食べたいような子だったんだけど。
ある日、突然、ナントヵ先輩のバイクの後ろにリコが乗ってて、夜遊びしてた。
という、根も葉もない噂を立てられていることを知る。
（そのときは既に噂が立ちはじめてから3ヶ月ほど経過していたが）

ナントヵ先輩（あえてこう表記したい）が誰だか知らないし、全く覚えが無いし。
夜遊びしないし、当然バイクに乗せてもらう義理もない。
そんな嘘を言って注目を浴びようとした犯人も救いようが無いし、
信じる中学生たちも泣けるし、なによりそんな噂を立てられ、
さらに3ヶ月以上それに気づかない中学生時代のリコが痛い。
ドコを切っても金太郎飴状にバカな話しだ。極め付けだ。

いまだ湘南地区に、この噂を本当だと信じたまま
大人になった同級生がいるかと思うと、ホラーの域だ。

とにかく、どうもバイクの後ろに乗ってる思い出は、バカだ。

今夜は特に悪さもしなかったし、バカなことはしなかったと思うけど。
ちゃんとミントティーにしたし、おうちに帰って企画書も入れたし。
大丈夫かしら。
うぉ、朝だ！今日は寝るのあきらめよ・・・